選択するということについて(2012年3月のMonthly Thoughts)

私たちは日々、生きていく中で様々な選択を行っています。そうした選択は、過去に経験したことに基づき、無意識に行っていることが多いのではないでしょうか。例えば、過去において肉体的に、あるいは感情的に傷ついた出来事があったとしたら、その出来事は心に深く刻まれ、その後も抱え続けることになります。そうした傷が深ければ深いほど、より強い影響を私たちに与えます。つらい出来事が繰り返し起こったり、最初に経験した痛みがあまりに耐え難いものであったとき、私たちは痛みを感じないですむように、自動的に精神的な「構造」を作ってしまいます。最初に傷を受けた出来事と似たような出来事や、似たような苦痛を伴う場面に直面したときも、このようにして避けようとするでしょう。

こうしたことは、日常生活において頻繁に起こっています。子供の頃に経験したことは、大人になってからも選択を行う上で影響を及ぼしています。大人になると、痛みの原因となった出来事をもはや忘れてしまっているかもしれません。あるいは、その痛みを伴う出来事を、子供の視点から理解するために作り上げた「ストーリー」だけを覚えているかもしれません。このような辛かった出来事のほとんどは、私たちの中に蓄積されており、大人である私たちはそのことを意識していないにも関わらず、それらは私たちの生活を影でコントロールしていっているのです。その様はまるで、どのような入力をされるかによってどのように動作するかを決めている、バックグラウンドで動作するコンピューターのプログラムのようです。

このようにして、私たちは痛みや、痛みを伴う出来事を避けるよう、プログラミングされています。私たちがどのような選択を行うかについての方向性を決める基準は、しばしば無意識的な信念として隠れています。こうした無意識的な信念は、私たちが他者とどのように関わるか、あるいはどのような選択を行うかについて強い支配力を持っています。結果として私たちは、自分たちが思っているよりもはるかに無意識的に行動しているのです。無意識的に持っている信念によって、私たちは自分が望むように、豊かに、生き生きと、愛をもって、意識的に、そしてより賢く、生きることが出来なくなってしまっているのです。

より良い選択を行うために最良の方法は、より意識的な選択を行うことです。自分がなぜそのようなことをしているのか、また自分が一体何をしているのか、あるいはしないのかということに、しっかりと意識を向けることです。自分の行動に自覚を持つための方法はたくさんあります。私たち人間に気付きを促し、より意識的に生きていくためのシステムはこれまでに数多く作られてきました。私たち一人一人が異なるように、意識的に生きるための道も様々です。あなたがどのような道を歩んでいても使える、より意識的で気付きをもって生きていくための方法をいくつかご紹介したいと思います。

より意識的に生きていくためにできるとても簡単な方法は、毎瞬毎瞬自分自身の内側で起こっていることに目を向けることです。自分がどのように呼吸しているかに注意を向け、観察することです。その呼吸はゆっくりとした深いものでしょうか?それとも浅いものでしょうか?あなたはリラックスしていますか?それとも緊張していますか?どこに緊張を感じていますか?より深く呼吸をすると、どんな感じがしますか?緊張がほぐれていくとどうでしょう?自分自身についてより深く知り、あなたを動かしている原動力を得るために日々行っていることはありますか?あなたはなぜ今のような選択をするのでしょうか?それはあなたが本当に望んでいる未来につながっていますか?どうか自分が探偵になったつもりで、好奇心を持って行ってみてください。緊張しているか、あるいはリラックスしているか、十分に深く呼吸をしているかといった、体の緊張と呼吸に関することを一日中観察し、探求してみてください。体をリラックスさせると、これまで自分の内面に隠されていたものをより詳細に観察できるようになります。そして、生きていく中で出会う様々な場面において、より適切な対応ができるようになり、今この瞬間において、あなたにとってより良い結果をもたらす選択を、意識的に行うことができるようになります。もはや、子供のように反応する必要がなくなるのです。

多くの場合、自分自身を守ってくれると無意識的に信じている様々なエネルギー的「構造」を作るきっかけとなった、痛みを伴う過去の出来事について、「ストーリー」そのものや、そうしたことが起こった理由を頭で理解する必要はありません。エネルギーを浄化する手法によって、その影響を弱めることはもちろん、解消することも可能です。同時に、私たちはより意識的に生きるために、また気付きを促すために必要な状況や出来事や人々を惹きつける、自然な欲求をも持っているのです。

探偵となってみることで、そのことに気付き、理解することができる場合もあります。もはや役に立たなくなったものの解放をサポートするようトレーニングを受けた人の手助けを借りた方が良い場合もあります。いずれにせよそのゴールは、私たちがそうありたいと望み、選択する、成熟した大人になることなのです。

簡単で毎日行えるような瞑想は、古い傷や痛みを手放すために欠かせません。瞑想は、今この瞬間においてより意識的でいられるようにし、子供のころに作り上げた信念や行動パターンからなる、子供のような部分が機能するのを止めてくれるのです。喜びや創造性、情熱に従うと、そして自分自身を最も愛し、敬意を払うようにするという選択を行うと、あなたは自分に新しいプログラムを「書き込む」ことができます。どうか自分自身を愛してください。自分自身を愛すれば愛するほど、その愛は溢れ、周囲の人々だけでなく、あなたが関心を持つもの全てにその愛が及んでいきます。愛を持ってハートの中心にいると、その瞬間その瞬間において、自分自身を「今」愛し、育む選択を行うことができます。そしてそうすることであなたは、周囲に勇気を与え、美を育み、広めることとなるのです。

あなたに偉大なる愛と、美と、気づきと、ハートの中心の意識が共にあらんことを!

アダマ